【わかるまで素粒子論「入門編」】
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過去に、『わかるまで素粒子論「入門編」』と『わかるまで素粒子論「常識編」』をここで掲載していた。更新が滞っているうちに、ODNのホームページが閉鎖されたため、かなり長く表示されない状態が続いていた事をお詫びしなければならない。
ひとつだけ言い訳させていただくとすれば、この間に「相対論」と「量子論」に関しては大幅に見直しを行った。そのため、ODNから新たなドメインにページを移し、掲載を続けている。
「素粒子論」についても気にかからなかったわけではないのだが、「相対論」「量子論」の出版話が持ち上がり時間を取られているうちに、私が定年退職となるイベントが重なり、ちょうどこれにコロナ禍がぶつかったものだから、再就職に時間をとられたという事情もあった。平にお許しを願う次第である。
おそらく２００７年ころ、入門編を完結したと記憶しているのだが、２０１３年から常識編が更新されないまま、現在に至っている。再開を試みるにあたり一言申し述べておきたい。
人類の歴史において、１９世紀後半の産業革命を境に、世の中のあらゆる変化が大きく加速を始めた。そしてその傾向は近年になるほど激しさを増している。
私は、今年（２０２５年）６７歳になるのだが、私が物心ついてからの半世紀で世の中がどのように変わったかを振り返って見ると実に興味深いものがある。
私は１９５８年（昭和３３年）に北海道の山奥で生まれているので、まず典型的な田舎っぺではあるが、当時は今ほど都会と地方の格差はなかったろうから、戦後生まれの日本人としてそれほど特別な存在ではないはずである。そんな私の身の回りで何が起こったか、以下に拾ってみよう。
最近の若い人には意味不明の言葉もあるだろうが、とにかく１９７０年代までは私の周辺に大きな変化はなかった。
ところが１９８０年を過ぎると、文字通り日進月歩に世の中は変わり始めた。
物理学の世界も例外ではない。
物理学という学問は自然科学である。あくまで主役は「自然」だ。物理が相手にする対象が「宇宙」だったり「微小粒子」の振る舞いだったりといった自然現象なので、この世の中で何が起きているのかを、より正確に知ることが事の始まりとなる。
「世の中で起きていることを正確に知る」行為を「観測」と呼ぶので、物理学では観測技術が実現する範囲でしか自然の振る舞いを理解することができない。これは仕方がないことである。
しかしながら、「観測技術」も日進月歩で発展しているのである。しかも産業技術と異なり、あまり世間の話題にならないところで途方もなく進歩が加速している。
実は、素粒子論を再開するに当たって私は全てを一から書き直そうと思った。ここ十数年で「宇宙」でも「微小粒子」でも驚くべき新発見が成されており、２１世紀初頭（２０世紀初頭ではない）の常識が次々と書き換えられているのだ。（正直に言うと、「相対論」や「量子論」だって、読み返せばそのたびに手直ししたくなる。）
それを踏まえて、新たな素粒子論を始めようかと考えていたのだが、それをやっているとここで発表するまでにまだまだ時間がかかりそうなので、とりあえず、これまで書いた「入門編」に若干の手を加えることから始めることにする。それでも見直しにはそれなりの手間がかかるので、一挙掲載ではなく小出しになってしまうが、これもお許しを乞う次第である。
「序」へ 一言いいたい！
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過去に、『わかるまで素粒子論「入門編」』と『わかるまで素粒子論「常識編」』をここで掲載していた。更新が滞っているうちに、ODNのホームページが閉鎖されたため、かなり長く表示されない状態が続いていた事をお詫びしなければならない。
ひとつだけ言い訳させていただくとすれば、この間に「相対論」と「量子論」に関しては大幅に見直しを行った。そのため、ODNから新たなドメインにページを移し、掲載を続けている。
「素粒子論」についても気にかからなかったわけではないのだが、「相対論」「量子論」の出版話が持ち上がり時間を取られているうちに、私が定年退職となるイベントが重なり、ちょうどこれにコロナ禍がぶつかったものだから、再就職に時間をとられたという事情もあった。平にお許しを願う次第である。
おそらく２００７年ころ、入門編を完結したと記憶しているのだが、２０１３年から常識編が更新されないまま、現在に至っている。再開を試みるにあたり一言申し述べておきたい。
人類の歴史において、１９世紀後半の産業革命を境に、世の中のあらゆる変化が大きく加速を始めた。そしてその傾向は近年になるほど激しさを増している。
私は、今年（２０２５年）６７歳になるのだが、私が物心ついてからの半世紀で世の中がどのように変わったかを振り返って見ると実に興味深いものがある。
私は１９５８年（昭和３３年）に北海道の山奥で生まれているので、まず典型的な田舎っぺではあるが、当時は今ほど都会と地方の格差はなかったろうから、戦後生まれの日本人としてそれほど特別な存在ではないはずである。そんな私の身の回りで何が起こったか、以下に拾ってみよう。
家電製品の普及：蛍光灯、洗濯機、テレビ、冷蔵庫が入って来たのは私の小学生時代私個人の身の回りですら、このような状況である。考えてみると、私が大学生だったころというのは嵐の前の静けさだったと言える。音楽はラジカセでカセットテープを聴くか、贅沢してもステレオコンポでレコードを聴いていた。カメラで写真を撮るという行為もカメラを持っている奴がいてのことだったし、フィルムはせいぜい３６枚撮り、自分が映っているものだけ焼き増ししてもらったから、あのころの映像は極めて貴重だ。実家や友人との電話は公衆電話か下宿のピンク電話。１０円玉や１００円玉をいっぱい用意して恋人との会話に胸弾ませた人も多いはず。手紙や日記はおろか卒業論文も手書きだったし、文化祭のチラシや文集はガリを切っていた。
自家用車の普及：公用・商用ではなく自家用乗用車が普通になったのは、私の中学・高校期
パソコン現る ：コンピュータが会社の事務所に置かれるようになったのは、新入社員時
個人用携帯電話：なんと電話を持ち歩けるようになった、１９９０年ころ
インターネット：家庭に普及したパソコンでネットが使えるようになった、１９９５年
携帯ネット電話：携帯電話でインターネットが使えるようになった、２０００年ころ
スマートフォン：携帯電話が電話からコンピュータへ変貌、この世の必需品となる
人工知能 ：凄まじい勢いで実用化進行中、人間の理解を超える可能性も
最近の若い人には意味不明の言葉もあるだろうが、とにかく１９７０年代までは私の周辺に大きな変化はなかった。
ところが１９８０年を過ぎると、文字通り日進月歩に世の中は変わり始めた。
物理学の世界も例外ではない。
物理学という学問は自然科学である。あくまで主役は「自然」だ。物理が相手にする対象が「宇宙」だったり「微小粒子」の振る舞いだったりといった自然現象なので、この世の中で何が起きているのかを、より正確に知ることが事の始まりとなる。
「世の中で起きていることを正確に知る」行為を「観測」と呼ぶので、物理学では観測技術が実現する範囲でしか自然の振る舞いを理解することができない。これは仕方がないことである。
しかしながら、「観測技術」も日進月歩で発展しているのである。しかも産業技術と異なり、あまり世間の話題にならないところで途方もなく進歩が加速している。
実は、素粒子論を再開するに当たって私は全てを一から書き直そうと思った。ここ十数年で「宇宙」でも「微小粒子」でも驚くべき新発見が成されており、２１世紀初頭（２０世紀初頭ではない）の常識が次々と書き換えられているのだ。（正直に言うと、「相対論」や「量子論」だって、読み返せばそのたびに手直ししたくなる。）
それを踏まえて、新たな素粒子論を始めようかと考えていたのだが、それをやっているとここで発表するまでにまだまだ時間がかかりそうなので、とりあえず、これまで書いた「入門編」に若干の手を加えることから始めることにする。それでも見直しにはそれなりの手間がかかるので、一挙掲載ではなく小出しになってしまうが、これもお許しを乞う次第である。
「序」へ 一言いいたい！